「不動産登記で国籍記入を義務化へ」の記事を読んで

目次

記事の概要

本日、「不動産登記で国籍記入を義務化へ」という読売新聞の記事を見ました。億ションに代表されるマンション価格の高騰を念頭に、政府は「不動産登記に所有者の国籍記入を義務付ける検討に入った」とのことです。外国人による不動産取引の実態を把握したいというのがその趣旨のようです。
記事では、「政府は関連法令を改正し、登記に国籍の記入を義務付ける検討を進める」と続いており、いずれは「登記に国籍を記入」することになるとのことです。

「登記に国籍を記入」とは?

司法書士であればこの記事に違和感を覚えるのではないでしょうか。登記に国籍を「記入」とはどういう意味なのか?登記事項である権利者の住所に続いて国籍を表示するという意味なのか?所有権の登記名義人だけなのか?「設立準拠法国」と似たような取り扱いになるのか?など、疑問点は尽きません。
ネットで詳細を調べましたが、記事以上のことは分かりませんでした。しかし、登記に国籍を「記入」することになれば、司法書士にとっては確実に手間が増えることになります。また、登記を実行する法務局職員の事務処理負担も確実に増えることになります。

外国人の不動産の所有について

外国人が日本で法人を設立し、その法人が不動産の登記名義人になっている事例が増えているという記事も最近読みました。この場合、内国法人が所有者であるため、設立準拠法国はもちろん、国籍も「記入」されないため、不動産登記の内容からは外国資本が入っていることは分からず、外国人による不動産取引の実態を把握できません。
そもそも日本は、諸外国と比較して外国人が不動産を所有することにかなり緩いそうです。近年、重要土地利用規制法が制定され、安全保障上重要な施設などの周辺に外国人が土地を所有する場合に届出を義務付けたり、命令を発出できるというものですが、外国人による土地の所有自体を制限するものではありません。
本年10月の自維連立政権合意書では、外国人による土地取得規制を強化する法案の提出が盛り込まれているとのことであり、その行方によっては、登記に国籍を「記入」する制度の内容にも影響が及ぶと思います。

ブログ内検索

目次